イギリスの海外不動産投資
イギリスは4つの国(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)からなる連合国で、それぞれが持つ独自の文化や言語、習慣を大切にしています。
郊外には、建物が立てられないエリアがある等、計画的に緑豊かな風景を守る一方で、都市部を中心に古き良き伝統と新しい文化が交ざりあう街並みとなっています。
また、世界的に有名なケンブリッジ大学やオックスフォード大学など、伝統と歴史を誇るイギリスの大学は、あらゆる分野で質の高い教育を提供しており、世界中から学生が集まります。
このように、イギリスの魅力は様々ありますが、海外不動産投資の分野では、「公平な不動産取引プロセス」・「カントリーリスクの低さ」・「人口増加」・「不動産価格の安定的な上昇」という点から世界中の海外不動産投資家から注目されています。
ロンドン 投資注目エリア
日系幼稚園・日本人学校へ通いやすく、日系レストラン・日系スーパーも充実していることから、日本人のご家族に人気のエリアの一つです。
イーリング・ブロードウェイ駅はナショナルレール、地下鉄3路線が利用可能、またバスの始発駅となっており、ロンドン中心部やヒースロー空港へアクセスが良い点も人気の理由です。
築浅の分譲マンションも多く、日本以外の国の駐在員や現地の人からも需要が高くなっています。
ロンドンの西部に位置するホワイトシティは、ロンドン中心部まで地下鉄で約15分と利便性が良く、商業・住宅共に再開発が進んでいるエリアです。
大型ショッピングモール「ウェストフィールド」や、三井不動産の手がけるミクストユース(住宅、オフィス、ホテル、レストラン、シネマなど複数の機能で構成される街づくり)の複合施設、また2020年より引き渡しが開始されたWhite City Livingなどの高層物件の建設も進み、街並みが大きく変わってきています。
ビートルズのAbbey Roadでも有名になったSt John’s Woodは、ロンドンの北西地区(NW8)に位置する緑豊かで閑静な高級住宅街です。
ロンドンで3番目に大きい王立公園Regent’s Parkには、ボートを楽しめる湖や、12,000本以上の薔薇が咲くQueen Mary’s Gardens、子供の遊び場が4カ所あり、天気の良い日には多くの人が訪れて、自然の中でゆったりとした時間を楽しんでいます。
また、この周辺には評価の高い小学校が4校、中学校が3校、またアメリカンスクールがあり、エリア全体の教育水準が高いことから、お子様のいるご家族に特に人気があります。
隣駅のSwiss Cottageと2駅先のFinchley Road駅の間には日系スーパーもあり、日本人駐在員に人気のエリアとなっています。
ロンドン随一のショップ、劇場、レストラン、バーなどが集まっており、地元住民、観光客問わず多くの人で賑わいます。
昼間は買い物やランチを楽しむ人で賑わい、夜になるとおしゃれをした劇場鑑賞客が、ショーが始まる前のディナーを楽しみます。
また、コヴェント・ガーデンの中心地からTottenham Court Road駅の間にある、Seven Dialsというエリアは、コラム(石の円柱)を中心に7つの細い道路が伸びる環状交差点になっており、その道路沿いには上階が住宅、一階におしゃれで可愛らしいショップやカフェ、レストランが入る建物が立ち並び、絶えず人が集まります。
2022年10月にテムズ川沿いの歴史あるバタシ―発電所を再開発し、複合商業施設としてオープンしたエリア。
(バタシ―発電所とは、1933年の操業開始以来、ピーク時にはロンドンの1/5の電力を供給するほどの巨大発電所です。現在に至るまで多数の再開発計画が立案されては中止を繰り返していました。)
商業施設内には、140を超えるショップ、カフェ、レストラン、住宅、オフィススペースがあり、2023年にはこの発電所内にアップル社のロンドン本社もオープンするなど、注目を集めるエリアです。
歴史的な金融地区で弁護士、税理士、会計事務所などのプロフェッショナルファームをはじめ、多様な企業が集まるビジネスの中心地。
現在は再開発によって高層物件が建ち並び、ロンドンで2番目の高さとなる62階建ての商業ビル「22 Bishopsgate」や、三菱地所が手掛ける51階建てのオフィス「8 Bishopsgate」が目を惹きます。
また、「リバプール・ストリート駅」というターミナル駅があり、利便性が良いことも特徴です。この駅はロンドンの中でも利用者が多く、地下鉄4路線の乗り継ぎが可能です。
2022年には、新線エリザベスラインの開通によって、ヒースロー空港まで40~50分で到着できるようになり、利便性が更に高まりました。さらに、駅周辺の再開発も活発で、近年街並みが大きく変化しています。
このエリアはロンドンアイ、ビッグベン、シェイクスピアのグローブ座など観光名所へのアクセスが良く、「ウォータールー駅」というターミナル駅もあり、利便性に優れています。
ウォータールー駅前に開発された高層物件「サウスバンクプレイス」は、全部で8つの棟で構成されています。
建物内は高級感あふれる空間が広がり、高層階からはロンドンの歴史的な街並みを一望できます。設備もフィットネスやスパ、プール、ラウンジ、バーなど充実しており、ゆったりと寛ぐことができるデザインとなっています。
また、グランドフロア部分は、オフィスやショップが入った複合施設で、周辺にはレストランやカフェ、バーが充実しており、利便性が良い点も特徴の一つです。
テムズ川の南側に位置する、カリビアンやアフリカ系の移民が多いエリア。
地下鉄のZone1圏内で利便性が良い割に家賃が低い為、学生を中心に人気があります。東アジア(日中韓)の学生も多く、アジア系のスーパーやレストランもあります。
元々は治安が悪いエリアとしてガイドマップ等に記載されることもありましたが、現在は地下鉄駅直結の大型ショッピングモールを中心とした再開発計画に伴い、治安が改善傾向にあります。
おしゃれなカフェやレストランも増えており、より安全で魅力的な街並みへと生まれ変わり、そこで暮らす人々にも変化をもたらしています。
莫大な資金を投じて都市開発された、新金融都市カナリーワーフ。
この地域の都市開発が進められた背景の一つに、金融街シティのオフィスビルのフロアが小さく、大きなフロアが熱望されていたことがあります。
現在は名実共に金融副都心として定着し、中心部にあるワン・カナダ・スクエアの両脇にはシティグループとHSBCのシンボル・タワーが勢揃いしています。
集合ビル開発は未だ続いており、金融業をはじめとした高所得者の平日用セカンドハウスとしての需要(1ベッドルームやスタジオ)が高いエリアとなっています。
ロンドン物件情報
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海外不動産投資例 South Quay Plaza
- エリア
- Canary Wharf 【East London】
- 価格
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1BED £720,000 (約14,040万円)~
2BED £979,500 (約19,100万円)~
※為替レート £1=195円で算出 - 面積
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1BED 596~685 SF (約55~64㎡)
2BED 869~988 SF (約81~92㎡) - 総階数
- 64階
- 完成予定日
- 2022~2025年
- 借地代(年間)
- £500~600(約97,500~117,000円)
- 物件施設
- 24時間コンシェルジュ、リフト、プール(インドア)、
ジム、屋上テラス、2.6Acresの庭園 - 最寄り駅
- 地下鉄Jubilee Line: Canary Wharf駅(徒歩6分)
Elizabeth Line: Canary Wharf駅(徒歩9分) - 周辺施設
- 周辺には金融系のオフィスなどが多くあり、レストラン、カフェ、スーパー、バーが充実して利便性が良いエリアとなっています。
- 開発会社
- Berkeley Group
- 想定月額賃料
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1BED £2,800 (約546,000円)~
2BED £3,800 (約741,000円)~ - 想定表面利回り
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1BED 4.5%~
2BED 4.7%~ - 特徴
- 金融都市カナリーワーフ。築浅の高層建築が建ち並ぶカナリーワーフエリアの中で、現在施工中の56階建ての建物は、世界的に有名なフォスター+パートナーズによってデザインされ、Berkeley Groupによって開発された存在感のある建物となっています。
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海外不動産投資例 Oakley House【Battersea Power Station】
- エリア
- Battersea Power Station(Nine Elms)【South West London】
- 総部屋数
- 204ユニット(バタシーパーク全体:3,444ユニット)
- 価格
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Studio £625,000 (約12,188万円)~
1BED £725,000 (約14,138万円)~
2BED £1,650,000 (約32,175万円)~
※為替レート £1=195円で算出 - 面積
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Studio 379 SF (約35㎡)~
1BED 575 SF (約53㎡)~
2BED 916 SF (約85㎡)~ - 総階数
- 16階
- 完成日
- 2023年
- 借地代(年間)
- £500~850(約97,500~165,750円)
- 物件施設
- 24時間コンシェルジュ、リフト、プール(インドア)、ジム、屋上テラス、ラウンジ、ビジネスセンター、スパ、ゲームルーム、映画館
- 最寄り駅
- 地下鉄Nothern Line: Battersea Park Station駅
- 周辺施設
- こちらはショッピングモール直結の物件となっており、100を超えるショップ、バー、レストラン、オフィススペースが順次開業しています。また、運河沿いとなっており、フェリー乗り場があったり、スポーツ広場や子供の遊具などが充実し、イベントなども行われるバタシーパークまで徒歩5分と利便性がとても良いエリアとなっております。
- 開発会社
- SP Setia Berhad, Sime Darby Property (マレーシア)
- 想定月額賃料
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Studio £2,800 (約546,000円)~
1BED £3,300 (約643,500円)~
2BED £4,400 (約858,000円)~ - 想定表面利回り
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Studio 5.4%~
1BED 5.5%~
2BED 3.2%~ - 特徴
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2012年にこの権利を取得したマレーシアの会社が10年という長い歳月をかけ、約35年ぶりに新しいロンドンのランドマークとして、2022年10月14日に商業施設の部分がオープンされました。
この商業部分には、100を超えるショップ、バー、レストラン、オフィススペースが順次開業しており、6フロアーを占有するアップルのロンドン本社も2023年に移転しています。
また、この建物は世界的に有名なフォスター+パートナーズによってデザインされています。
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海外不動産投資例 Embassy Gardens
- エリア
- Nine Elms【South West London】
- 総部屋数
- 1,555ユニット
- 価格
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Studio £650,000 (約12,675万円)~
1BED £700,000 (約13,650万円)~
2BED £925,000 (約18,038万円)~
※為替レート £1=195円で算出 - 面積
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Studio 379 SF (約35㎡)~
1BED 575 SF (約53㎡)~
2BED 916 SF (約85㎡)~ - 総階数
- 24階
- 完成日
- 2017年~2022年(4棟:Legacy Buildings/Ambassador/Capital/The Modern)
- 借地代(年間)
- £500~800(約97,500~156,000円)
- 物件施設
- 24時間コンシェルジュ、リフト、プール(インドア)、スカイプール(アウトドア)、ジム、ラウンジ、ビジネスセンター、スパ、図書室、映画館、レストラン
- 最寄り駅
- 地下鉄Nothern Line: Nine Elms駅
- 周辺施設
- メイフェアーからナインエルムズに移転された、西ヨーロッパ最大規模のアメリカ大使館を取り囲む形で配置された4棟の開発物件で、このエリアの中で敷地を広く確保しているのが特徴となります。1階部分にはレストラン、カフェ、バー等が入っており、大型ショッピングモールであるバタシーパワーステーションまで徒歩14分程度で、利便性が良いエリアとなっています。
- 開発会社
- Eco World (マレーシア) / Ballymore (1982年に設立)
- 想定月額賃料
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Studio £2,700 (約526,500円)~
1BED £3,200 (約624,000円)~
2BED £4,100 (約799,500円)~ - 想定表面利回り
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Studio 5.0%~
1BED 5.5%~
2BED 5.3%~ - 特徴
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2017年から完成していった開発物件で、アメリカ大使館を取り囲む形で配置されており、イギリスで初の「建物の屋上を繋ぐスカイプール」で注目を浴びています。
4棟から成り立つこの開発物件は敷地が広く、ファシリティーが充実しているのが特徴で、比較的若い世代に人気の物件となっています。
ロンドンマーケット情報
イギリス エリアマップ

ロンドン 不動産売買市場
ニューヨークと並び、世界をリードする金融センターであるロンドンは、世界最高水準の都市となっています。
そして、不動産の分野においても「公平な不動産取引プロセス」「カントリーリスクの低さ」「人口増加」という点から、常に世界の投資家に注目され、価格が高い水準で安定しています。
左上一番上のグラフは、2003年~2023年の20年間の不動産価格の推移を示しています。グラフを見ると、サブプライム問題などで2008年に一時的に価格が下落したものの、1年後には回復していることが分かります。このことから「英国不動産は不況に強い」というイメージが定着し、2016年にかけて不動産価格が急激に上昇しました。
2016年には、EU離脱(Brexit)という歴史的決断により経済的不安が蔓延し、ポンドの為替レート下落、ロンドンの一部エリアで不動産価格下落などの影響がでました。しかし、グラフ全体をみると急激な不動産価格上昇が落ち着き、一定の水準を保っていることがわかります。
2020年には、Covid19により世界中が未曾有の状況になりましたが、イギリス政府の政策が後押しをして、不動産価格が再度急上昇しました。そこで、海外投資家に対して追加増税などの対策を行い、不動産価格の安定化を図りました。
2022年5月から2023年半ばにかけては、インフレ対策として急激な利上げを行い、物価上昇を抑える動きと連動し、住宅ローンが組みにくい状況となりました。その結果2019年以来はじめて、前年比で不動産価格が下落となりました。
一方で、購入意欲は落ちておらず、2023年半ばより金利が緩やかな下降となってきているため、この価格下落傾向も長くは続かず、再び上昇する兆しが見えてきています。
ロンドン 不動産賃貸市場
世界中から人が集まるロンドンの賃貸市場は底堅く、年々上昇傾向にあります。
主な理由として、海外留学生の急増、移民の急増、ロンドン都心部への一極集中などによる人口増加に対して物件供給が足りていないことが挙げられます。
2021年~2022年のイギリスへの海外留学生の総数は68万人となり、過去2年間で12万2千人増加しています。これは、優秀な学生を英国に呼び込むことを目的とした新ビザ変更の影響も受けており、ロンドンを含む有名な大学が集まる都市の賃貸市場に大きな影響を与えています。
また、2021年の前半に行われた優秀な人材を呼び込むための大規模なビザ要件変更、ウクライナ難民や香港からの移民に対するスキーム提供の影響もあり、2022年には純移民数(入国した移民から出国した移民を差し引いた人数)が年間74万5千人となり、過去最高の数値を更新しました。
さらに、イギリスでは人口の都心部一極集中が進んでいます。首都ロンドンでは毎年1.4%ずつ人口が増加しており、2020年時点で930万人に達しました。
この要因として、東京と同じように法律、IT、金融といった工業以外の主要企業の本社がロンドンに集中していることがあげられます。
家賃については、2020年12月31日に完了したEU離脱の影響により、下落が予想されていました。しかし実際には、Covid19の影響などで一時的に下がっていた家賃は、翌年の2021年に再び上昇しています。
これはCovid19による規制の緩和により、移民が増加したことと、それに対する物件供給が足りていないことが要因となっていると考えられます。
このような状況により、2021年~2022年では約12%、2022年~2023年では約10%家賃が上昇しています。
イギリス不動産取引の流れ
お申込み〜ご契約〜決済の流れ(個人の場合)
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ご購入手続き
Step1. 不動産会社(エージェント/コンサルタント)、税理士に相談(購入目的、資金計画、マーケット情報、税務面)
イギリスでは、⾃宅⽬的で購⼊する場合と、投資⽤で購⼊する場合で、税金や住宅ローンの条件が異なります。そのため、事前に使⽤⽤途(⾃⼰⽤・投資⽤)、資⾦計画(ご予算・ローン利⽤の有無)、マーケット情報の把握、税務上のメリット・デメリット等を不動産会社、税理士に相談し確認しましょう。
Step2. 資⾦調達
資⾦調達の方法は、イギリス居住者、⾮居住者によって異なります。⾮居住者に対しては、現地でローンを組むのがとても難しいため、⽇本で資⾦を準備するのが一般的です。
イギリス居住者の⽅は、①⽇本のように銀⾏に直接申し込む②Mortgage Adviserを通して申し込む③独⽴したIFA(Independent Financial Advisor)を使う方法の3種類があります。
ここで、ローンの仮承認(Mortgage in Principle)を発⾏してもらうと、その後のお⼿続きがスムーズになります。
※近年はAML(アンチマネーロンダリング)のチェックがより厳しくなっており、資金の証明だけでなく、どのように得たものなのかも含め、弁護士が確認することになっています。Step3. 不動産会社(エージェント/コンサルタント)の選定
イギリスの不動産取引では、売主側が⼿数料を⽀払うため、通常買主側は⼿数料が発⽣しません。これは、売主側の不動産会社がホームページ等に物件を掲載し、問い合わせをしてきた買主と取引を進めるという慣習になっているためです。
この取引の形式は、買主にとって購⼊時に仲介⼿数料がかからないメリットがある⼀⽅で、ご⾃⾝で物件を探す必要性や、調査の仕方によっては物件が限られてしまうというデメリットがあります。その為、不動産購⼊に慣れていない方(特に⾮居住者の⽅)がご購⼊される場合には、⽇本語で対応可能な不動産会社にサポートを依頼することをおすすめします。「買主側のエージェント/コンサルタント」として、「ご要望に沿った幅広い物件調査」、「プロフェッショナルな交渉」、「不動産購⼊・保有する際の注意点のアドバイス」等、買主の視点に⽴って、⽇本語でサポートしてもらうことができます。
この際にかかる費⽤は依頼内容によって異なりますが、購⼊⾦額の1%〜3%+VATが⽬安となります。また、この時に依頼した不動産会社が直接取り扱っている物件を購⼊する場合には、手数料の免除・減額などの可能性があります。Step4. 物件の選定
物件の選定には、不動産検索サイト(RightmoveやZoopla等)を使って検索する⽅法や、購入希望エリアの不動産会社に直接問い合わせて、内覧の日程調整を行う方法があります。
この際に、周辺環境はもちろん、売却理由(チェーン物件かどうかなど※注意点に説明あり)、保有時にかかる費⽤(管理組合費用、カウンシルタックスといった税金等)、建物のメンテナンス状況も合わせて確認しておくことをお勧めします。
不動産会社に依頼する場合は、担当者にご要望(ご予算、エリア、間取り、その他ポイント等)を伝え、ご要望に合った物件をリストアップしてもらい、内覧の⽇程を調整します。また、イギリス国外に住んでいるなど、物件へのアクセスが難しい場合は、スカイプや動画等を使って内覧することも可能です。Step5. オファー(申込み)
ご要望に合った物件が⾒つかったら、不動産会社を通してオファーを出します。オファーには希望売買価格・資金状況(ローンの有無)・その他の要望等、購入に必要な条件をすべて記⼊します。売主側と条件が合わない場合には、双方条件のすり合わせを行います。
ある程度条件が合致した段階で、本人証明と資金が十分あることを示す為、パスポートなどのIDや銀行の残高証明書などを提示します。その後、売主側の了承が得られた段階で、弁護士への依頼となります。Step6. AML(アンチマネーロンダリング)チェック、会社登録
オファーが通った後、不動産購入の手続きへと入ります。その際に弁護士に手続きを依頼しますが、イギリスでは大変厳しいAMLチェックを行う必要があります。
チェックの具体的な方法については特に規定がない為、弁護士事務所によって異なります。その為、弁護士事務所によって、第三者機関を使って調べるところや、銀行の明細を数年分確認して行うところがあります。
また、買主のIDや住所を確認するため、パスポートや住所を証明する書類(住民票、運転免許書など)を日本の公証役場や弁護士に認証してもらうことが必要です。これらのチェックが完了した時点から、弁護士は業務を行うことが可能となります。
また、2022年8月1日に開始されたRegister of Overseas Entities(外国事業者登録制度)により、イギリス国外の法人が不動産を取得する際には、イギリスでの会社登録手続きが必要となりましたのでご注意ください。Step7. 弁護士(Solicitor)の確定/覚書(Sales Memorandum)
AMLチェック後に、弁護⼠が業務を開始します。弁護⼠は、買主側の代理⼈として法的な部分の情報(買主個⼈情報、物件・環境情報、所有権、書類の不備)を⼊⼿し、必要に応じて調査・交渉・アドバイスなどを⾏い、契約書作成、移転登記の⼿続きを⾏います。
弁護士によっては、対応が悪く取引が上手くいかないこともあります。その為、どの弁護⼠を⼿配するかによって、取引がトラブル無くスムーズに進むかが左右される、重要な要素となります。
この弁護士との契約が完了した段階で、売主側の不動産会社より正式に覚書(Sales Memorandum)が売主、買主双方の弁護士へ送付され、不動産購入手続きが開始されます。Step8. 不動産鑑定士(Surveyor)へ依頼
弁護士との契約を結び、業務が開始された後、物件の調査を行う不動産鑑定士の⼿配を⾏います。不動産鑑定士は、建物の状態や物件の適正価格、構造に問題があるかどうか等を調査し、報告書を作成します。
調査内容についていくつかオプションを選択できるので、調査範囲・価格を確認して依頼を行います。調査士の予定にもよりますが、大体1~2週間以内に物件の調査を行い、調査後3~5営業日で報告書が届きます。Step9. 資金調達(住宅ローン手配・海外送金準備など)
正式にローンの申し込みを⾏います。住宅ローンの商品を選択し、必要となる情報(パスポート、残高証明書、給与明細、不動産会社、弁護⼠等)を提出します。
その上で、銀⾏でも担保価値(物件価値)の調査が行われ、1〜2週間後に最終的なローン通知が届きます。⽇本から送⾦する際には、日本側のAMLチェックとして、送金目的や送金先を確認する書類を求められます。(※銀⾏によって多少異なります。)
最初の契約金を支払う段階では、日本のように双方が署名済みの契約書が無い為、基本的には、オファーが通ったことを証明する覚書と弁護士からのFund Request(送金指示書)を提出して送金を行うこととなります。 -
ご売却手続き
Step1. 不動産会社、税理士に相談(マーケット情報、税務面)
所有されている不動産の売却にかかる費用などを複数の不動産会社に確認し、物件の査定内容や手数料を比較しながら、どの不動産会社に任せるかを決めていきます。
また、売却にかかる費用(ローンを組んでいる場合は残高やその他の費用等、売却益税(Capital Gain Tax)、弁護士費用、不動産会社への手数料、クリーニング、ステージング、写真・動画撮影等)を計算し、最終的な手残りの目安を確認します。
この金額がご自身の望んでいる価格と合致しているようであれば、今後の売却のスケジュールなどを決めていきます。Step2. 賃借人付き物件 vs. 空室での売却検討
物件を自宅として利用している場合は問題ないのですが、賃貸物件として貸し出している場合は、賃借人を退去させて売却を進めるか、賃貸したままで売却を進めるかを検討する必要があります。 賃借人を退去させるためには、Section 21 of the Housing Act 1988で定められている通り、2カ月以上前に書面で通知する必要があります。
※法人契約や契約内容によって、条件が異なります。Step3. 物件や書類の準備
マーケットに出す前に、下記の準備をしておくと、その後の契約がスムーズに行われます。
①EPC(energy performance certificate)の取得。
②物件情報をとりまとめる。オファーが入った際に買主に情報を開示できるよう、あらかじめ物件に関する質問事項などを記入してまとめておきます。
③物件の魅力を高める。自分の物件の魅力を最大限引き出す準備を行います。リフォームしたり、壁を塗りなおしたり、ガーデニングをしたり、またステージングと呼ばれるレンタル家具を準備したり、見栄えのする写真をとるなど、できる限り早く、また高く売却できるよう準備を行います。Step4. 弁護士(Solicitor)の選定
イギリスの不動産売買において、非常に重要な役割をもつ、弁護士の手配を行います。
弁護士は売主側の代理人として、法的な情報(売主個人情報、物件・環境情報、所有権、書類の不備)を入手し、必要に応じて調査・交渉・アドバイスなどを行い、契約書作成、移転登記の手続きを行います。
その為、どの弁護士を手配するかで、交渉内容が大きく変わります。Step5. 物件売却活動
売却の準備が整ったところで、物件をマーケットに出します。幅広く物件を紹介するため、イギリスで活用されている不動産検索サイト(RightmoveやZoopla等)で掲載したり、ホームページやSNSを活用したりして幅広く情報を公開します。
また、投資物件などは不動産会社のネットワーク(投資家・金融機関等)を活用して、売却活動を行います。Step6. オファー(申込み)
オファーが入ると、不動産会社より報告があります。その内容(希望購入価格・ローン利用の有無・引渡し希望日等)を確認し、必要に応じて交渉を行い、条件の良いオファーがあれば、正式に合意します。
但し、この時点では法的な拘束力はないため、売主・買主ともに気が変われば、ペナルティー無しで、いつでもキャンセルを行う事ができます。Step7. 調査・確認・交渉
オファーが成立した後、買主が依頼した弁護士と不動産鑑定士(Surveyor)が、物件の状態や適正価格、構造上に問題があるかどうか等を調査し、その調査資料を基に、双方の弁護士同士で情報確認、交渉し、最終的な内容で契約書作成が行われます。
その為、どの弁護士を手配するかで、売却手続きの内容が大きく変わります。Step8. 契約締結(Exchange Contract)・デポジットの支払い・保険の手続き
物件調査・確認・交渉が終わった内容に合わせて、弁護士が作成した契約書に署名を行います。また、このタイミングで、弁護士を通し手付金(Deposit)の支払いが行われます。手付金の一般的な目安は購入金額の10%です。
この契約書の署名とデポジットを受領した段階で、不動産売買の契約が法的に締結(Legally binding)となります。
この後の解約は白紙解除ができず、契約解除によって生じたダメージを請求される可能性があります。Step9. 引越し
決済日までに家の引き渡しができるように、引越しの準備や水道、電気、ガスなどの各種お手続きを行います。退去時の状態は、契約締結時に定めた内容と同様にする必要があります。
また、退去が完了した時点で、決済前に買主もしくは不動産会社が物件の状態を確認しに来ることもあります。Step10. 決済・契約完了(completion)
契約締結時に定められた日付に合わせて、鍵の引き渡しが行われます。
この日までに、弁護士を通して残金の受領が行われます。残金の受領が口座で確認できた時点で、弁護⼠が登記情報(Land registry)の変更の⼿続きを⾏います。また、弁護士を通して、ローンの返済や不動産会社への手数料など必要経費の支払いが行われます。
諸費用
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1) 購⼊時にかかる諸費⽤
内容 英語表記 目安価格(単位:£) 追記 弁護士費用 Solicitor’s Fee 2,000~4,000 購入金額によって価格は変動 物件調査費用 Surveyor’s Fee 300~1,000 調査内容によって価格は変動 印紙税 Stamp Duty 購入価格の0~12% 購入金額によって価格は変動 ローン費用 Mortgage 0~1,000 ローン手続きに関する費用
(Valuation Fee, Arrangement Fee等)
金融機関によって異なるローンエージェント Mortgage Advisor エージェント会社によって異なる 土地登記費用 Land Registry Fee 40~910 弁護士(Solicitor)が手続きを行う 保険 Insurance 契約内容による 火災や失業などのリスクに対する備え 購入者側の不動産会社
(エージェント/コンサルタント)Agent/Consultant 購入価格の1~3% サポート内容によって異なる 2) 購入後にかかる費用
内容 英語表記 追記 家具 Furniture 賃貸する際にも必要な場合あり 改装・修繕費用 Repair /Renovation 必要に応じて 引越し費用 Relocation 内容によって異なる 地方税 Council Tax 自用や空室の場合は所有者、賃貸した場合は、入居者が支払う 住宅管理費 Service Charge フラットタイプ(Leaseholdの場合) 借地費用 Ground Rent フラットタイプ(Leaseholdの場合) 所得税 Income Tax 賃貸した際の利益に対する申告必要 -
1) 売却時にかかる諸費用
内容 英語表記 目安価格(単位:£) 追記 住宅エネルギー証書 EPC 60~120 弁護士費用 Solicitor’s Fee 2,000~4,000 売却金額によって価格は変動 ステージング・写真/動画 Home Stager・Photo/Video 物件の間取り、面積、家具の内容によって異なる リフォーム Home Improvement リフォーム内容によって異なる 売主側の不動産会社
(エージェント/コンサルタント)Agent/Consultant 売却価格の1~3% 英語のみ、日本語でのサポート等で費用が異なる ローン早期解約費用 Early Repayment Charges 早期解約費用等必要な場合のみ 家具処分費用 Removal Cost 300~800 内容によって異なる 2) 売却後にかかる費用
内容 英語表記 追記 譲渡所得税 Capital Gain Tax
注意点
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イギリスでは、買主と売主の双方が契約書に署名し、買主から10%の手付金の着金が確認できるまでは、物件を確保することができません。
そのため、できる限りスムーズにお手続きを進めることが、重要なポイントになります。
また、弁護士と不動産鑑定士の費用については、売主・買主のいずれの都合で契約まで進まなかった場合でも、買主側で支払う義務が発生します。 - イギリスでは日本と異なり住宅に固定資産税がかかりません。但し、地方税(Council Tax)は支払う必要があります。投資家の方は賃貸している場合は、入居者が支払う為、入居期間中は支払う必要はありません。
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イギリスでは、土地の所有者は国王・女王のみとなります。国王・女王以外の人は、使用権を認められており、Law of Property Act 1925が施行されてからは、下記の2種類に分かれております。
- Freehold:
- 期間の定めなく、土地の使用が認められた権利です。
- Leasehold:
- 一定の期間使用が認められた権利です。期間は、999年まで設定することができ、この期間が70年を切ると、銀行によってはローンが下りないため、相場より安い価格で売りに出ている物件もあり、注意が必要です。
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イギリスの不動産取引におけるチェーン物件とは、売主が新しい物件を購入する為に、現在所有している物件を売却する必要があり、その買主もまた物件購入の為に、所有物件を売却する必要がある、というように取引の連鎖が生じている物件を意味します。
一つの取引で遅延が発生すると、関連する他の取引も遅延する問題がある為、物件選定時に確認することをお勧めします。
よくあるご質問 / FAQ
- Q Q
- A A